毎年夏から秋にかけて猛威を振るう台風。
強い風と雨により、その規模によっては私たちの生活に大きな影響を及ぼす自然災害の一つですね。
ですが、そもそもの台風の定義や発生の仕組みについては意外とご存知ない方も多いかと思います。
また、海外でハリケーンやサイクロンが発生したというニュースを聞いたことがあるかと思いますが、これらの違いについても理解されている方は少ないかと思います。
そこで今回はそもそも台風とはなにか、その定義や発生の仕組み、ハリケーンやサイクロンとの違いについてまとめてみましたのでご紹介しようと思います。
台風が発生した際の家や車、窓ガラスへの対策についてはこちらの記事でもご紹介していますので、ご覧ください。
関連記事⇒台風の対策はどうすればいい?家や車、窓ガラスを守るために!
台風の定義は?
そもそも台風とはなにか、その定義についてご説明します。
台風とは「熱帯低気圧」の一種になります。
「熱帯低気圧」とは熱帯・亜熱帯地方において発生する低気圧の総称で、その低気圧の中でも太平洋北西部、南シナ海で発生し、最大風速(10分間平均)が17m/s(34ノット、風力8)以上のものが台風と定義されているのです。
つまり発生した「熱帯低気圧」の中で、最大風速が一定のラインを超えるとそれは「台風」と呼ばれ、越えなければ「熱帯低気圧」のままということですね。
また一度「台風」まで発達しても徐々に勢力が弱まり、最大風速が下がることもあります。
その際最大風速が基準値を下回れば、それはもはや台風ではなくなります。
たまにニュースなどで「台風が熱帯低気圧に変わりました」という解説を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?
これは上記の通り最大風速が基準値を下回った際に使われる言葉です。
最大風速が低くなっているため一般的な台風より危険は少ないものの構造自体は台風と同じですので、強い雨風は続いています。
状況によってはまた最大風速が上昇し台風として復活することも十分にあり得ますので、熱帯低気圧に変わったから安心という事ではありませんので注意しましょう。
また厳密にいうとこの台風の定義は日本独自のもので、世界基準では最大風速が33m/s(64ノット)以上のものをタイフーン (Typhoon)と呼んでいます。
台風の仕組みは?
続いて台風が発生する仕組みについて解説していきます。
台風は基本的に、下記の段階に分けて発生していきます。
1.上昇気流が発生
太陽の熱エネルギーによってによって海水の温度が上昇し、水蒸気が発生します。
水蒸気は空気より軽いため、上昇していきます。(上昇気流の発生)
2.積乱雲に発達
上昇した水蒸気は上空で冷やされることにより水や氷に代わり、雲が出来上がります。
この時地球の自転によって生じる力により、小さな空気の渦が生じます。
そしてこの雲がどんどん成長していき、やがて積乱雲と呼ばれる巨大な雲になります。
3.熱帯低気圧の発生
積乱雲が出来上がっていく過程で、水蒸気は多くの熱を放出します。
そしてその熱がまわりの空気を暖めさらに水蒸気を発生させ、上昇気流は益々強まっていきます。
この上昇気流のサイクルが繰り返えされることで、やがて小さな渦は大きな渦に発達し熱帯低気圧が発生します。
4.熱帯低気圧が台風に
この熱帯低気圧が、上記の「水蒸気の上昇⇒熱を放出」というサイクルをさらに繰り返すことで成長していき、上記で述べたように最大風速が一定の値を超えると台風として分類されるようになります。
このように、海水の温度上昇によって発生した水蒸気が台風の元となっています。
そのため一年中暑い熱帯・亜熱帯地方の海上で発生することが多くなっているようですね。
また、「水蒸気の上昇⇒熱を放出」のサイクルを繰り返すことにより大きくなっていきますので、台風のエネルギー源はやはり水蒸気です。
そのため水蒸気が発生しない陸地に上陸すると、台風はやがて勢力を落とし熱帯低気圧や温帯低気圧に変わり、最終的には消えていくのです。
台風とハリケーンやサイクロンの違いは?
台風が熱帯低気圧の一種であることは先に述べましたが、ハリケーンやサイクロンとの違いについてもご説明いたします。
台風とハリケーン、サイクロンの違いは発生地域と最大風速の違いになります。
台風は太平洋北西部、南シナ海で発生し、最大風速が34ノット以上のものでしたよね。
また台風は日本独自の基準で、世界基準では最大風速が64ノット以上のものをタイフーンと呼ぶこともご説明しました。
そしてハリケーンとは大西洋北部・大西洋南部・太平洋北東部・太平洋北中部で発生し、最大風速64ノット以上のもの、サイクロンはインド洋北部・インド洋南部・太平洋南部で発生し、最大風速64ノット以上のものを指します。
つまり熱帯低気圧は世界のいたるところで発生していますが、どこに存在するかによって呼称が変わる(各国の観測地域によって変わる)のです。
大西洋やインド洋で発生したハリケーンやサイクロンが移動し、太平洋北西部、南シナ海(日本気象庁の観測範囲)に入った場合、それはその時点で台風となり「越境台風」と呼ばれます。
呼称は変わりますが構造自体はすべて同じですので基本的には同じものと考えてよいでしょう。
同じものでも観測範囲の境界線を越えた時点で名前が変わるというのはちょっと不思議ですね。
まとめ
以上、台風の定義や発生の仕組み、ハリケーンやサイクロンとの違いについて説明しました!
毎年耳にする台風やハリケーン・サイクロンという単語ですが、それぞれ違いや発生の仕組みについてご存知の方は少なかったのではないでしょうか。
近年では異常気象や地球温暖化などの環境の変化により巨大な熱帯低気圧の発生が各地で頻発しています。
台風に対する知識や理解をしっかり持つことで、しっかり対策をしていきましょう。
台風が発生した際対策についてはこちらの記事でもご紹介しています⇒台風の対策はどうすればいい?家や車、窓ガラスを守るために!
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