若い女性を中心に大人気のパンケーキ。
数年前から流行りだし、海外の人気専門店が続々日本に参入してくるなど今なお人気は衰えることなく広がっていますね。
そんな人気の「パンケーキ」ですが、昔から「ホットケーキ」ってありますよね?
この2つの違いを皆さんご存知でしょうか?
今でもスーパーなどに行くと「ホットケーキミックス」とか売られていますし、一昔前は「ホットケーキ」が一般的で「パンケーキ」はあまり聞かなかった気がします。
そこで今回は「パンケーキ」と「ホットケーキ」の違いと、それぞれの歴史や由来について調べてみましたので、ご紹介します!
パンケーキとホットケーキの違いは?
早速結論から言うと、パンケーキとホットケーキは同じ物で、呼び方が違うだけです。
基本的な原材料や調理法は同じなのですが「ホットケーキ」というのは日本独自の呼び方で、世界的には「パンケーキ」の呼称が一般的なものとなります。
主な原材料は小麦粉、卵、牛乳、ベーキングパウダーで、日本では甘いものを連想しがちですが海外では甘みを抑えて朝食として食べる文化もあります。
最近流行りの海外から進出してきたパンケーキ屋さんでも、食事系のメニューがたくさんありますよね。
ちなみにアメリカの一部地域では「ホットケーキ」と呼ぶ場合もあるそうですが、その場合は生地が厚めのものを指すようで、あまり一般的でありません。
そのため海外で「ホットケーキ」といっても基本的には通じないみたいです。
日本独自の呼称ですね。
なんとなく「パンケーキはベーコンやスクランブルエッグなど食事系からフルーツやクリームなどを乗せたスイーツ系まで含んで、ホットケーキはシロップやはちみつで食べるスイーツ系限定」と思っている方もいるかもしれませんが、実はそういうわけでもなかったようです。
日本のパンケーキ(ホットケーキ)の歴史と語源
ではなぜ日本では「ホットケーキ」という呼び名があるのでしょうか??
そもそも日本のパンケーキの歴史は明治時代まで遡ります。
明治17年に、海外の書物を日本の文部省が翻訳した『百科全書』という本が出版されました。
この本自体は様々な学問・技芸・工芸を紹介した、その名の通り百科事典なのですが、その中にパンケーキを「薄餅」と訳し紹介されたのが始まりと言われています。
その後大正12年に東京・日本橋のデパートの食堂でこの「薄餅」を「ハットケーキ」という名前で売り出し、初めて日本で「パンケーキ」が食されることとなります。
さらに昭和5~6年頃になるとホーム食品から「ホットケーキミックス」が発売されます。
これは「ハットケーキ」を一般家庭でも作れるようにと開発された物で、当時の社長が「ハットケーキ」の名称を捩り「温かいうちに食べるケーキ」ということから「ホットケーキ」と名付けられました。
これが一般家庭に広がっていったことから日本では「ホットケーキ」の呼び名が根付いていったのです。
その後1950年後半頃に森永製菓から「森永ホットケーキの素」が発売され、今なお人気のロングセラー商品となりました。
そしてこの「森永ホットケーキの素」にはあらかじめ砂糖が含まれており甘い味わいだったため、日本では長らく「ホットケーキ = 甘いもの」という認識が広まっていました。
日本で「ホットケーキ」という呼び名が広まったのと、何となく甘いもの、というイメージがあるのはこういった理由からだったんですね。
パンケーキの歴史と語源
実はパンケーキの歴史は非常に長いのです。
粉と水、燃料とパンケーキを焼く鍋や器があれば簡単に作れることから古くより人々に親しまれており、その起源はなんと古代エジプトまで遡るといわれています。
さらに当時は人々の健康と幸福を祈り、神への捧げ物として作られていたのだそうです。
まさかパンケーキにこんな歴史があったとは。。。
後に女子高生のインスタ映えの餌食となるとは、古代エジプト人は想像もしていなかったことでしょう(笑)
その後初めて文献でその存在が確認できるのは16世紀頃から。
18世紀に入ると当時の料理本にパンケーキが登場するようになり、19世紀~終わりにかけてはパンケーキ粉なども発売され、一般食として広まっていきます。
ちなみに「パンケーキ」という名前の由来ですが、そもそもパンケーキとは「Pan cake」と書き、「パン」、つまりフライパンなどの鍋類全般で焼いたケーキの事を総称して「パンケーキ」と呼ぶのです。
なので厳密に言うと「パンケーキ」の中にはクレープ、ガレット等も含まれることとなりますし、日本でいう「ホットケーキもパンケーキの一種」として分類されるのです。
ちょっと意外ですね。
しかも海外の人からすると「お好み焼き」もパンケーキの一種として認識されることがあるのだとか(笑)
確かに鍋というか、鉄板で焼いてますが。。。
日本人の感覚だとちょっとイメージが離れすぎてますね。。。(笑)
森永製菓の見解
森永製菓は古くから「森永ホットケーキの素」を発売し、現在では「ホットケーキミックス」と「パンケーキミックス」の両方を販売しています。
本来同じものであるはずの2つをわざわざ分けて販売しているのですが、どういった違いがあるのでしょうか。
調べてみたところ下記のように区別しているようです。
「ホットケーキは小麦粉、卵、牛乳、砂糖などを混ぜて、フライパンなどで円形に焼いたもの。甘くて、厚みのあるものをホットケーキとしています」との回答だった。ちなみにパンケーキはというと、同社のミックス粉は「砂糖不使用で甘くなく、食事に合うような品質にしています」。
出典:マイナビニュース
つまりホットケーキはスイーツ系、パンケーキは食事系として分けて販売しているようです!
とはいえ、これは森永製菓独自の見解ですね。
日本特有の「ホットケーキ」という呼び名と「ホットケーキ = 甘いもの」という認識が広まった状態で、近年パンケーキが流行りだしたので、区別するためにこういった分け方をしたのでしょう。
あくまで余談というか、ご参考までに。
まとめ
以上、「パンケーキ」と「ホットケーキ」の違いや、それぞれの歴史についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
この2つの違いについては知らない方も多かったのではないでしょうか。
普段から何気なく目にしたり口にしているものですが、改めてその起源を調べてみると深い歴史や由来があるものですね。
こういった歴史なんかを知ると、また味わいも変わってくるかもしれません!
コメントを残す