「ざるそば」と「もりそば」の違いは何?由来や語源も解説!

ざるそばともりそば

日本の伝統的な料理「蕎麦」

歴史ある伝統的な老舗から手軽な立ち食い蕎麦屋まで、日本人にとっては非常になじみ深い和食の定番ですね。

温かい蕎麦も美味しいですが、夏場になると冷たいお蕎麦でスッキリしたくなるものです。

ところでお蕎麦屋さんのメニューを見ると「ざるそば」と「もりそば」がありますが、この違いっていったい何なんでしょうか?

見た目の違いでいうと「ざるそば」には海苔が上に乗っていて「もりそば」は何も乗っていません

そして値段を見ると「もりそば」の方が少し安い

という事は、海苔が乗っている方が「ざるそば」「もりそば」は海苔がない分安い?

。。。と思いましたが、調べてみるとどうやら海苔の有無だけではないようです。

どうやら「ざるそば」「もりそば」の違いは、それぞれの歴史や成り立ちが関係していることが分かりました。

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「ざるそば」と「もりそば」の違いは?

「ざるそば」と「もりそば」の違い

「ざるそば」と「もりそば」の違いは大きく分けると以下の3つです。

  • 器に「竹ざる」を使っているかどうか
  • 漬け汁に「みりん」が入っているかどうか
  • 「海苔」が乗っているかどうか

「ざるそば」と「もりそば」の区別が明確になったのは明治以降と言われているのですが、当時は「みりん」が非常に高級品でした。

また器に「竹ざる」を使うというのも、当時はかなりオシャレで先進的なものでした。

一方「もりそば」は当時から安価に手に入った「かつお節」で出汁を取り、器も丼やお椀に盛られていました。

そのため「ざるそば」は「もりそば」よりも高級品という位置づけだったのです。

海苔の有無のほかに、器と漬け汁の違いがあったようですね。値段の違いもそう考えると納得です。

現在では・・・

当時は漬け汁の材料や器によって差別化が図られていた「ざるそば」と「もりそば」ですが、現在では「かつお節」も「みりん」も値段に対した差は無くなり、器の区別も曖昧になってしまいました。

たいていのお店はわざわざ漬け汁を分ける手間は取らず、「海苔」だけが名残として残っているのが現状のようです。

一部のお店ではしっかりとつけ汁や器を区別しているところもありますが、基本的に「海苔の有無」で分けているお店がほとんどです。

今後お店に行ったときは、店員さんに聞いてみるといいかもしれません。

海苔以外の部分でしっかり分けて提供していたら、「デキる」お店と見ていいでしょう(笑)

 

というわけで答えが出てしまいましたが、せっかくなので「ざるそば」と「もりそば」の歴史や由来についてもう少し解説していきます。

「もりそば」の歴史と由来は?

そもそも「蕎麦」の歴史は非常に長く約9000年前から食べられていたといわれています。

もともとは蕎麦掻きといって、蕎麦粉を熱湯でこねて餅状にしたものや蕎麦焼きという蕎粉を水で溶いて焼いたものを食していました。

江戸時代の中期ごろになるとようやく、蕎麦を細く切り、麺の形にしたものが誕生します。

蕎麦の歴史は長いものの、現在の私たちが知る形状になったのは実は最近だったようです。

この頃の蕎麦は「切りそば」「そば切り」と呼ばれ、漬け汁につけて食べるのが一般的でした。

その後、新材木町にあった「信濃屋」という店が、わざわざ漬け汁につけて食べるのではなく、最初から漬け汁をかけた状態で提供する「ぶっかけそば」という食べ方を始めました。(現在の「かけそば」の原型です)

そしてこの「ぶっかけそば」が流行りだしたため、従来のものと区別をするために漬け汁をつけて食べる方を「もりそば」と名付けました。

これが「もりそば」の始まりです。

ちなみに名前の由来は、お椀や丼に「盛られて」提供されるので「盛りそば」となったそうです。

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「ざるそば」の歴史と由来は?

そんな中、やがてとあるお店が他の蕎麦屋との差別化を図るため、従来の「もりそば」を「竹ざる」に盛って「ざるそば」という名で提供し始めました。

これが瞬く間に人気となり、徐々に他のお店も真似をし「ざるそば」という形態が一気に広がっていきました。

ちなみに最初にこの「ざるそば」を提供したのは江戸の深川洲崎にあった伊勢屋というお店だそうです。

当時、深川という土地はリゾート地として人気だったことと「竹ざる」に盛るという洒落た見た目も相まって人気に火が付いたといわれています。

当初は器の違いのみでしたが、明治以降になるとより差別化をするため、先述したような「漬け汁」や「海苔」という違いが出てきました。

「せいろそば」の歴史と由来は?

ちなみにですが、「せいろそば」というのもありますよね。

せっかくなのでこちらについても解説いたします。

これについては諸説あるのですが、一説には江戸時代の初期、蕎麦は茹でるのではなく「せいろ」に乗せて蒸した状態で「盛り蒸籠(せいろ)」として提供されており、それが略され「せいろそば」と呼ばれるようになったと言われています。

さらにもう一説では、江戸時代末期の天保時代、蕎麦屋が幕府に蕎麦の値上げを要求した際、値上げではなく量を減らし底上げして提供することを許可されました。

そのため「すのこ」で底上げをした「せいろ」に蕎麦を盛り、これが「盛りせいろ」「せいろそば」になったとも言われています。

このように語源や由来は異なりますが、こちらも現在では明確な違いはありません。

器の違いによって分けているお店もありますが、「せいろそば」の名でざるにのっていたりすることもあるので、お店によって曖昧なようです。

まとめ

以上、「ざるそば」と「もりそば」の違いとその歴史と由来、また「せいろそば」についてもご紹介しました!

現在ではあまり違いがないお店も多く、ごっちゃになってしまっていることも多いですね。

ですがこういった歴史や由来を知ってからだと、より一層味わいを楽しめるというものですね。

老舗のお店だとしっかり分けれらたりしているので、食べ比べてみると面白いかもしれません!

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